「V字回復」
新日本プロレスの現在に至るまでの歴史を語る上で、欠かせないのがこの言葉です。
2000年前後から巻き起こった格闘技ブームの勢いに押された新日本プロレス、選手の離脱なども相まって人気が低迷し、2005年にはピークから比べると1/3に売上高が減少しました。
その後新日本プロレスはユークスの子会社となり、徹底したコスト見直し、ブシロード傘下となってからはメディアやSNSを有効活用してプロレスラーを前面に押し、従来からのプロレスに対するイメージを刷新。
2018年には過去最高の売り上げを更新、見事V字回復を達成したのでした。。。
というのは、プロレスファンの皆様にとっては、釈迦に説法、河童に水練、孔子に論語、猿に木登り。
今回ご紹介するのは、いまV字回復の真っ只中のあるスポーツです。
それは、、、
バスケットボール
恐らく皆さんが通っていた学校にもバスケ部はあったでしょうし、漫画やアニメの影響で話題になったりもしますので、バスケというスポーツの存在自体を知らない方のほうが少ないと思います。
実は日本のバスケ界、新日本プロレス顔負けの暗黒時代を経験しているんです。
今回はバスケに注目して話を進め、もしかしたらプロレスの興行にも参考にできる部分があるのでは?という視点で筆を進めていきたいと思います。
アヴァランと月刊バスケットボールと
ねじれ構造
ここからは、日本バスケ界の歴史についてお話をしていきます。
2014年11月26日、国際バスケットボール連盟(FIBA)は、ある発表を行いました。
「日本チームの国際大会への無期限出場停止」
オリンピックやワールドカップの予選への出場ができないのはもちろんのこと、ジュニア世代の親善試合すら禁止するという、非常に重い制裁です。
もしサッカーで同じような事態となってしまったら、渋谷で暴動が起きるレベルじゃないかなあと、、、
では、なぜこの様な事態になってしまったのか。
理由を簡単に説明すると、実業団リーグとプロリーグが並列な状態で存在しているからでした。
普通に考えれば、実業団よりプロリーグの方がレベルが高いでしょ、と思いそうですが、これまた不思議、そうでもなかったんです。
このようなねじれ現象を生んだ原因は、間違いなく大人の醜い権力闘争でした。
実業団→プロ化の流れ
話は遡って1995年、スラムダンクブームやNBA・マイケルジョーダンの活躍により、日本のバスケ界にも人気の火がつき始めました。
そこで、日本バスケットボール協会(JBA)は、従来の実業団リーグを将来的にはプロリーグ化させる事も視野に入れて、既存リーグの組織改革を始めます。
それまでは実業団チームのセミプロ選手のみだったものの、1997年には選手個人とのプロ契約も容認、プロリーグ化が進むように思われたのですが、、、
ここに来て実業団チームの多くがプロ化に対して難色を示し始めたのです。
理由は単純明快、リスクを冒すのが怖かったから。
失敗した場合の事を考え、それならこのままの体制でいいじゃん、という層が大多数だったんです。
そのような実業団側に対して、プロリーグ化への強烈なリーダーシップを取るような人材もおらずプロ化計画は頓挫してしまいます。
とはいえ、実業団リーグの中には、企業からの後ろ盾がなくプロ化を熱望するチームも存在していました。
そんなチーム達が痺れを切らし、お上には頼ってられない!とリーグから脱退、実業団リーグとは切り離した独自のプロリーグ「bjリーグ」を2005年に設立したのです。
しかしやしかし、自らに反旗を翻した者をJBAが許すはずがありません。
なんと、bjリーグ所属選手から日本代表を選ばない!という制裁を加えたのです。
発足当時から危機的状況のbjリーグ、すぐ潰れてしまうのでは?という心配をよそに地道な努力で経営を安定させていきます。
bjリーグのエンターテイメント性を重視したスタイルや地域密着型のファンサービスが徐々に受け入れられていき、規模が拡大したのです。
bjリーグのレベルが上がるにつれて、JBA側もその存在を見逃すことができなくなり、日本代表選出除外などの制裁はなくなりました。
そのせいで、実業団とプロリーグが並列という摩訶不思議な状態が生まれてしまったのです。
世界からの孤立
そこで難色を示したのが、世界のバスケ界の大元締めであるFIBA。
プロリーグを頂点としたピラミッド型の組織体系で運営していくのが本来の形なのですが、そのようになっていない日本の状況を問題視したのです。
2006年、FIBAからJBAに体制を改善するようお達しがなされるのですが、実業団とプロの間でのドロドロの権力闘争は平行線のまま交わる気配はなく、遂に2014年11月26日、国際大会への出場停止という判断が下ったのです。
復活への道
2015年1月、FIBAはJBAを改革するために特別チームを設置します。
そのチェアマンに就任したのが、川淵三郎さん、Jリーグ発足時に強烈なリーダーシップを発揮した人物です。
バスケ界以外から責任者を招聘することで、しがらみのない改革を目指したのです。
川淵さんは、実業団側・プロ側の双方の意見を聞きつつも、リーグを統一するため最後はその豪腕で自らの意見を押し通し、今まで平行線だった議論を徐々にまとめていきます。
そして、2016年秋の開幕を目標とした新たなプロリーグ「Bリーグ」の構想をまとめあげてFIBAに報告、2015年8月、遂に国際資格停止処分の解除が発表されるに至りました。
その後のバスケ界
2016年9月22日、川淵さんの構想通りBリーグが開幕。
現在、3シーズン目を迎えておりますが、人気は徐々に浸透し、黒字経営ができるチームが増えつつあります。
そしてつい先日、日本代表は自力では21年ぶりとなるワールドカップ出場への切符を獲得。
2020年の東京五輪出場に向けた、第一歩を踏み出したのです。
(今までは日本バスケ界の組織がガタガタ且つ実力が伴わないため、オリンピックの自国開催枠すら剥奪されそうな勢いでした)
Bリーグのこれを見習え!
ここまでが日本バスケ界のV字回復の歴史でした。
略語も多くややこしい中、読んで頂き有難うございます。。。
一応プロレスブログなので、そこを絡めないワケにはいきません。
Bリーグのチームが行っているサービスの中で、プロレスの興行でも真似できるのでは?というものを紹介したいと思います。
先日、Bリーグの川崎ブレイブサンダースの本拠地である、とどろきアリーナへ試合観戦に出かけました。
そこで、私が座ったシートが快適すぎて、是非プロレスにも取り入れて頂きたい…!
その名も、テーブルシート!!
出典:川崎ブレイブサンダースHP
コレどういう仕組みになっているのかというと、一列座席を潰してしまって、その上に板を乗っけて固定しテーブルのようにしているんです。
座席を潰すデメリットはありますが、すべてのプロレス団体が会場をフルハウスにできる訳ではないと思うので、真似する価値は充分かと。
このテーブルシート、プロレス団体に置き換えた場合に使ってもらいたいターゲットはカメラ女子(男子ももちろんですが)。
プロレス観戦のためにガチな望遠レンズやら持って来られている方もいらっしゃると思います。
そのような方々って荷物の置き場に困りません?
膝上に乗せるのも邪魔だし、座席の下に置いておくのも心もとないし。。。
そんなときにこのテーブルシート!
ご覧の通り、荷物の置き場は充分に確保されるので、物を広げても問題なし。
しかも、テーブルで前の1列が潰れているので、前の人の頭が視界を邪魔する心配もなし。
絶好のカメラスポットの出来上がり、というワケです。
これどこかの団体で試してみませんか…?
観客動員UPの秘訣は、プロレス以外のスポーツにもあるかもしれません…!
(もし、既にやっている団体があればすみません…!)
まとめ
今回は趣向を変えて、「アヴァランと月刊バスケットボールと」をお届けしました。
本家同様、細かい部分を間違えている可能性もありますので、ご注意を。。
まあ内容的に皆さんに響いたかどうかわかりませんが、ご好評なら今後も私が好きなものとプロレスを絡めて記事にできたら面白いかな?と思っております。
どしどしコメントの方をお待ちしております~!
そういえば、NJCは…次回書きます!!
ご覧頂き有難う御座いました。
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